安心は貧乏の始まり、安全は利益の始まり

安心と安全。
言葉は似ていますが、非なるもの。全然違います。

安心を求めれば求めるほど、貧乏になります。
身近な例でいってみますか。

車を持っている人は多いと思います。

その自動車に任意保険をつけていますか?

おそらく100人中95人程度は、任意保険に加入していると思います。

では、なぜ任意保険に加入するのでしょうか?
決して安くはない保険代を払う意味を考えてみましょう。

もし、運転中に人を轢いてしまい、お亡くなりになったとしたら。。。

人の命を奪ってしまったという道徳的なこともありますが、このブログはお金のブログなので、ひとまず道徳的な要素は置いておくとします。

賠償金、1億円でも足りないことが多々あるようです。
もし、そんな賠償責任を負うことになったら破滅です。

自動車保険には強制保険と言われる、自賠責保険があります。
原則すべての自動車が加入しているはずのこの保険の限度額は3,000万円。

とても足りません。

運転中に万が一、人の命を奪ってしまうことが発生しても、金銭的損害を被らないようにするもの。それが任意保険です。
任意保険に加入すると、安心が買えます。

安心するために必要なコストです。
では、その任意保険に加入することによる、費用対効果はいかほどでしょうか?

例えば、月額1万円、対人保証3億円の任意保険に加入するとしましょう。

30,000ヶ月目に、3億円の賠償事故を起こして、やっとチャラです。
毎月1万円掛け金として計算すると、2,500年という計算。

つまり、2,500年に1回以上、賠償金3億円の死亡事故を起こすと保険料をペイできるという訳です。
逆に言うと、発生確率がこれ以下なら、保険会社の儲けという事になります。
もちろん保険会社は損するシュミレーションをしませんから、この場合、死亡事故を起こす確率は2,500年に一度以下だと計算しているのです。

この数字だけ見ると、2,500年も運転していれば、死亡事故を起こすかもしれない。とお感じになるかもしれませんが、実は違います。
人間の運転年数なんてたかだか80年程度ですから、ちょっと想像の付かない確率ですよね。

時間軸を伸ばして話をしましたが、水平方向に考えれば、毎月1万円払う保険加入者2,500人に1人の割合で3億円賠償レベルの死亡事故が1年に1回未満発生すれば、保険会社の儲けとなるわけです。

実際は、保険会社の経費や利益、他の事故の賠償金が入るので計算はもっと複雑ですが。

感の良い方なら、もうお気づきだと思いますが、保険会社は確率論で物事を考えますが、保険加入者は確率論ではありません。

「万が一、死亡事故を起こしてしまったら、3億も払えない」という一点です。

この一点に、保険料を払う価値を見出すのです。
つまり、安心のためにお金を払うのです。

ここで、投資家思考で書くと、安心で安全は買えないということ。
理由を説明しましょう。

3億の保険に入ったら、絶対安全でしょうか?
死亡事故を起こした後、保険会社が倒産するかもしれません。

保険会社が倒産したからと言って、あなたの賠償責任が免責になることはありません。
では、万が一のために、二つの保険会社にダブルで保険に入るのか?

そんな人は聞いた事がありません。

保険会社が倒産してしまうことは、現実的にありますが、保険会社は1社で十分と誰もが思っているのです。
もっとも、自動車保険は、倒産した場合、3カ月以内であれば救済されるシステムがありますが、それとて絶対安全なシステムではありません。

だんだん、安心と安全の違いに近づいてきましたね。

安心とは、自分の頭で感じることであり、
安全とは、客観的な状態を指す言葉です。

交通事故の例で言えば、手元に3億円の現金があれば安全です。
この資産家は、保険に入る必要がありません。つまり、無駄なコストを負担しなくても良いのです。

3億という安全があることで、安心が担保されているのです。

もっとも、手元に資金がある場合でも、自宅に泥棒が入ったとか安心を脅かす要素はなくはありません。
この資産家は、3億円を失わないために、盗まれないだろうという安心を求めて、金庫を買うかもしれませんが(笑)

金庫は安全な商品ではなく、安心な商品です。

繰り返しましょう。
「人は安心にお金を払う」のです。

安心は安全を担保しませんが、安全は安心を担保します。

商売は、安全と言い切ってはいけません。
安心だと誤解していただくことが重要なのです。

そういった視点で、テレビや雑誌を見ると、いかに「安心を売っている」かが分かります。
保険の無駄な特約などは、最たる例で、不必要なものに安心を求めることは、不経済で貧乏になります。

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