タワマン管理組合が破たん!ババを引くのは誰だ?

マンションの維持管理になくてはならないもの。
それは修繕積立金ですね。

この修繕積立金の適正金額ってご存知でしょうか?

実は、世の中のマンションの9割は修繕積立金不足と言われています。
タワマン
国土交通省がマンションの修繕積立金の目安を公表しています。
それがこちら

6ページに、専有面積当たりの修繕積立金の目安という記載があります。
15階建て未満の場合、
床面積が5,000㎡未満が、165~250円
5,000~10,000㎡未満が140~265円
10,000㎡~が135~220円となっています。

専有面積1平方メートル当たりの修繕費です。

一方タワマンと呼ばれる、20階以上のマンション。
170~245円と試算されています。

その他、機械式駐車場があれば、その分必要な金額は上がっていくのですが、駐車場の積立金は利用料で賄うと仮定します。

ここで重要なポイントです。

20階以上のマンションの修繕積立金の試算、170~245円。

仮に70㎡の部屋の場合、17,150円。
私の感覚では、絶対足りない。と思います。

最低でも倍は必要になると思われます。
パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワーという川崎市にあるマンション。
修繕積立金の値上げを築5年で決断したという素晴らしいマンションです。
しかし、それでも50年間は何とかなるというレベル。

私の個人的意見ですが、タワマンは㎡単価500円。70㎡なら35,000円必要だと思います。
インフレも勘案すれば妥当です。

また、タワマンの修繕はどの会社でもできる工事ではありません。
工事業者は寡占になり、工事費用もアップするでしょう。

足場が組めませんから、ゴンドラで吊るして作業をします。
圧倒的に作業効率が悪く、工期も長期化します。
外壁修理で、数年なんて話もまんざら冗談ではないかもしれません。

免震マンションが流行りです。
免震ゴムはどうやって取り換えるのでしょうか?

ゴムメーカーのBRIDGESTONEの公式サイトには、耐用年数が60年と記載されています。
交換については記載がありません。

タワマンの修繕工事の問題点。
それは、経験がないので、その時になってみなければ分からない。ということです。

以前、苗場等のスキー場でリゾートマンションブームが起きました。
今はスラム化しているマンションがゴロゴロあります。

何故なら、バブルが弾けたという理由もありますが、その根本的な原因は管理費の高額さです。
大浴場やジムなどを併設した結果、100㎡程度の部屋で管理費積立金が月額8万円という部屋も。

私自身、売却の相談をされましたが、たまにしか使わない部屋を月額8万も払うような人は見つかるはずもなく、お断りしました。

もちろん、都心のタワマンと、リゾートマンションは全く立地も違います。
しかし、持っているだけで尋常ではないランニングコストがかかる不動産は、単なる負動産になります。

例えば、同じエリアにある、15階建てのマンションと30階建てのマンション。
違うのは、見晴らしと共有部分の豪華さです。

たったこれだけで、維持コストが倍も違うのです。
私なら迷わず、15階建てのマンションを選びます。

修繕積立金が不足したマンションは、二つの方向のどちらかに向かいます。
資金不足しないように、修繕積立金を上げる。上げた結果、売れなくなるマンション。
二つ目は、修繕積立金を上げることができず、適切な維持管理ができなくなり、売れなくなるマンション。

いずれにしても売れなくなるというゴールは同じです。

歴史が証明している通り、維持管理コストが高額になる不動産は売れない。のです。
ババ抜きが既に始まっています。